第30回
「錦糸瓜」の中華和えサラダ
2016.09.09 [三輪 桃加]
夏から初秋にかけて市場に並ぶ、黄色い楕円形のカボチャ「錦糸瓜」。「そうめんカボチャ」とも呼ばれています。今回は、知らずに購入して使い方に困ったり、正体不明で購入に至らない方も多い不思議なカボチャをご紹介いたします!
■「錦糸瓜」の歴史
アメリカ大陸が原産地と伝わっており、ウリ科カボチャ属ペポ種のカボチャになります。西洋カボチャの一種ですが、加熱すると果肉が糸状になるという特質を持っています。日本では、チラシ寿司の時に使う「錦糸卵」と似ていることから「錦糸瓜」と呼ばれていますが、糸状になるため「そうめんカボチャ」とも呼ばれています。原産地のアメリカでも「spaghetti squash」、スパゲッティ状になるカボチャとして親しまれています。中国では栽培面積が広がり、崇明島の特産物として親しまれています。日本には明治時代に石川県に伝わったという説があり、能登の伝統野菜としても有名なカボチャです。
■「錦糸瓜」の特徴
生の状態だと果肉の中央部に種が密集しており、通常のカボチャと同じ構造をしています。しかし、加熱すると、糸状になるのは、錦糸瓜の繊維質に熱が加わることで、繊維がほぐれてくるからです。縦か横半分にカットするか、3~4cm幅の輪切りにカットしてから茹でると、実がほぐしやすくなります。カボチャ属の野菜ですが、通常のカボチャのように加熱しても甘味はほとんどなく、食感もシャキシャキとしています。また通常のカボチャのように加熱後にデンプン質が現れないため、カロリーも100gで約24kcalとかなり低く、ダイエット食に最適です。ちなみに、通常のカボチャの加熱後のカロリーは100g約93kcalです。
錦糸瓜は春に種をまき、収穫期は7~8月、食べごろは8~9月です。生産量が少なく、旬の時期も短いですが、一般のスーパーでも大型店では見られ、価格もリーズナブルです。
■「錦糸瓜」の栄養など
錦糸瓜の栄養面は、同じくカボチャ属ペポ種の植物であるズッキーニとよく似ています。カボチャ特有のカロテンやビタミンEの含有量は少なく、緑黄色野菜にも入りません。通常のカボチャよりもビタミンCや葉酸の含量が多く、免疫力UPが期待できます。季節の変わり目の風邪予防や、日焼け後肌の改善にもいいでしょう。そしてカリウムも多いので、利尿作用やムクミ予防にも期待できます。他には、精神安定効果が望めるナイアシン、貧血予防となるマグネシウム、糖質をエネルギーに変える役目のあるビタミンB群も含まれています。
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